空降るでいず

じゆうな いろで えがいて みよう

ハイブリッドカーに乗ったの巻

「電気自動車には2度も乗っているくせにハイブリッドカーは一度も運転したことがない」ってことに突然気づいたので、カーシェアでホンダのフィットハイブリッドを確保して試しに乗ってみた。ラインナップは限られているけど、それでもこういうときに手軽に希望の車に乗れるあたりカーシェアって凄く良いと思う。
無目的に走るのはかなり不可能に近いので、今回はとりあえず6時間借りて岡崎のイオンモールまで行くことにした。先週のリーフの時はイオンモール2箇所に立ち寄ったし、イオンは本当に郊外民ホイホイと化してると思うけど、そんなことは良いとして、とりあえず出かけてみよう。

動き出す部分の普通さ

キーを回すと、普通のガソリン車と同じようにとりあえずエンジンがかかる。ホンダのハイブリッドが元々そういう仕様になっているのは一応知っているんだけど、実際にキーを回してエンジンがかかると拍子抜けするというか、一時停止時のアイドリングストップも出来るんだからかけなくてもいいんじゃないのと思ってしまう。
で、当然アクセルを踏めば動き出すんだけど、これもいたって普通で、ハイブリッドだからどうなんて事は何一つ無い。メーターのディスプレイによると、どうやら出だしはエンジンだけで走っているみたいで、モーターは何もしないかむしろ充電してるほどだった。
ある程度の速度か、そこから加速をすればそこで初めてディスプレイの表示にもバッテリーからのパワー供給が出てくるし、実際にどこからともなくモーターの音(どことなく電車に似ているような)も聞こえてくるけれど、リーフやポロのTSI車みたいに「うはwww加速すげえwww」みたいなこともなく、淡々と走る。正直、拍子抜け。
逆にそこがこの車の凄いところで、加速するとか「アクセルを踏む」という場面に限って言えば、とにかくガソリン車と比べて違和感が全くない。動き出すのはエンジンだけの仕事だし、モーターのアシストも「ドライバーに要求された加速をエンジンにそれほど無理をさせずに実現する」という最低限しか行っていない。だから、例えばアクセルをちょっと踏むくらいなら、モーターからの働きかけは真剣に何もない。おかげでぎくしゃくした感じにはならないし、ハイブリッドカーとしての面白みが無い分普通に乗れてしまう。昔のインサイトの時よりもモーター・バッテリー周りはそこそこパワーアップしているだろうに、それでもモーターの存在をすっかり黒子化させてしまうあたりがホンダらしいね。

エンジンが止まる、そしてすぐ動き出す

この車に乗って感心したのが、エンジン停止の潔さ。ブレーキを踏んで減速すると、20km/hくらいで車が「これはもう車を止めるつもりだな」とでも判断するのか、エンジンを潔く止めてしまう。まだ車が動いているというのにエンジンの回転数が突如0になるのを初めて見たときはヒヤッとした。
で、一番感心したのがそこからの再始動の速さで、例えば次の信号が赤信号だったのでブレーキを踏んで停まりかけた(既にエンジンは停止した)ものの、そこで青になっちゃったから結局アクセルを踏んで加速するというパターンの時に、ちゃんとエンジンが再始動してアクセル通りに動いてくる。しかも恐ろしいことに、その再加速時にモーターは何もしていないので、エンジンが起きてすぐに仕事を始めていることになる。右折時でも車が停まれば平然とエンジンも止まる仕様自体は心臓に悪いんだけど、不思議なことにアクセルを踏めばエンジンが復帰してエンジンだけで動いてしまう。どうなってんだこの車。
が、しかし、これが逆に良くない場面があった。いくらエンジンの再始動がやたら早いとは言ってもタイムラグはどうしてもあるわけで、例えば前の車との車間がちょっと開いたからちょっと詰めるかー なんて時にブレーキを離すと、ワンテンポ遅れて車が動き出すので気持ち悪い。しかも始動直後のエンジンのクリープってのはやけに強いんだよね。ワンテンポ遅れて飛び出すような感じになるから怖い。

回生ブレーキ

この車で一番怖かったのが回生ブレーキ。こいつがおっそろしく気まぐれで、ドライバーのブレーキとは関係無しに効いたり効かなかったりする。つまり、ブレーキの踏んでる深さが全く同じでも、回生ブレーキの有無で車の減速度合いが全く違うし、そもそもブレーキの固さも回生ブレーキが利いてるときと利いてないときで全然違ったりする。これは怖い。だって、一定の力でブレーキを踏んでたのに、突然ブレーキが柔らかくなって深く沈み込み始めたりするんだよ。もうわけわかんねえ。ここはあまりに不自然に感じたので、正直何とかして欲しいところ。

というわけで

これがハイブリッドカーだ!!みたいな感動はこれと言ってなかったものの、豪快なエンジンのとめっぷりや、そこからの復帰の速さは本当に良くできていると思う。踏めばただのガソリン車にしか思えないし、安上がりで大量生産できるハイブリッドの仕組みって事でホンダはもっと色んな車種にこの仕組みを載せればいいんじゃないかな。
一方で、エネルギー回生の仕組みとアイドリングストップの仕組みを組み合わせたものを用意すれば、モーターが動力に関与するハイブリッドである必要は特にないんじゃないかなーと思った。フィットのアイドリングストップだって、数十秒止まればギブアップしたかのようにエンジンが勝手に再始動するわけで、停止中の車の面倒(空調とかナビの電力とか)をバッテリーが見られないというのは辛いところだと思う。
ホンダのすごさを見せつけられているはずだし、実際にそこは感じてる部分もあるんだけど、ハイブリッドという大げさな名前の割にはパッとしないような気がします。

ところで

今回、名古屋駅付近から岡崎のイオンモールまで行ったんだけど、まさか下道で片道2時間もかかるとは思わなかった。なにがすごいって、名古屋市を脱出するのに1時間もかかったんだよ。ナビおすすめの幹線道路を通っていくと、とにかく信号が多く、足止めを何度も食らって全然進めやしない。相当長時間かけた後にくぐった高架が名古屋駅からそれほど遠くない駅の高架だったりしてがっかりしたわ。
今まで「名古屋は車社会だから電車よりも車の方が便利なんだろう」と思っていたけど、それは愛知県全体の話であって、名古屋市内に限って言えば車も電車もどっちもだめなんだろう、きっと。あと名古屋市広すぎ。