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空降るでいず

じゆうな いろで えがいて みよう

SoftBank Airを契約した&ウィルコム最後の希望の話

モノ

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妙なものを契約してしまった。

SoftBank Airとは

 僕もつい最近まで知らなかったんだけど、SoftBank Airというのは簡単に言うと「LTEみたいな携帯回線を家で使うためのWi-Fiルーター」になる。 公式サイトの売り文句を見ても「Wi-Fiで快適!」しか書いてなくてこれが一体何なのかがいまいちピンとこないし、どういう層をターゲットにしているのかもよく分からないしで、ソフトバンクお得意のよく分かってない人にとりあえず提供して巻き上げる類いの怪しげな何か(失礼)にしか見えない。
 今回こんな怪しげな何かを、今まで使っていたWiMAXの代わりにインターネット側の出入口にしたので、(早ければ来月には新型が出るので誰が読むんだと思いつつ)ちょっとだけレポート。

置いてみた。

 まずは箱。


 お父さんのセリフが「俺でも出来たぞ!」になっているあたり、深いことを考えずに設定できることを相当意識しているんだと思う。他の箇所でも「電源を差すだけで使える」という表現がいくつか出てきたりして、初代iMacの「電源と電話回線を差すだけですぐインターネットに繋がる」という表現を思い出す。

 というわけで箱から出して、WiMAXルーター(シンセイコーポレーションのURoad-Home)を元々置いていた場所に代わりに置いてみたのが最初の写真。ちなみにSoftBank Airというのはサービス名でもあり、商品名でもあるらしい。それではもう一度見てみましょう。

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比較対象がないとよく分からないだろうから、とりあえず500mlのペットボトルとWii U Gamepadも並べてみた。
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 あっ、分かりにくいですか。ごめんなさい。というかGamepadが意外と大きいせいでSoftBank Airが影に隠れてしまった。アンテナを除けば500mlペットボトルよりは低く、Gamepadほどは幅を取らないといったところかな。うん、分かりにくいね。

 WiMAX民が検索してここを見に来ているといかんので、URoad-Home(初代)とも並べてみた。
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こうして見るとURoad-Homeユーザーには衝撃の大きさだと思う。高さは似たような感じだけど、ここにものすごい幅とアンテナが来るぞ、と。

 この本体を真正面から見て右側にはSIMスロットが、背面には電源コネクタ、LANポートがふたつ、USB端子(普通のtype-A)がある。USBは市販の外付けHDDとかを接続できるとは店頭で聞いたものの、それらしいものは持っていないので本当かどうかも含めて分からない。興味ある人は各自調べるように。

 天面には電波状況を表すインジケーターがある。
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 ゲージの段階が意外と細かい。名古屋市からほど近いこちらでは、青ランプが4〜6くらいを行ったり来たりしているのでそこそこちゃんと掴めている方だと思う。それにしても、この電波がちゃんときているのは感慨深い(理由は後述)。

 気になる点と言えば電源を入れてから繋がるまでがやたら長いことくらいか。簡単なセットアップガイドにも「電源を入れてから使えるようになるまで2分ほどかかります」と書いてあって、本当にそれくらいかかる。インジケーターもしばらく電源の赤点灯が続くせいで初期不良ではないかとだんだん不安になってくるので、酷い表現ではあるけど「人を散々不安がらせてから繋がる」くらいに思っておくと丁度良いと思う。もうちょっと早くならんのかこれ。

繋いでみた

 とりあえずLANケーブルを差して、家のネットワークと繋いでみた。うちは元々URoad-HomeにNECの無線ルーターをアクセスポイントモードで繋いでいたので、大量にあるWi-Fi機器の設定を変えずに済んだ。文字通りLANを繋ぐだけで出来上がりだ。

そういえば日頃使うMacで速度測定しなかったので、測ってみたのが以下。
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 日曜日の2時半でこんな感じ。カタログスペック上は最速110Mbpsを謳っているので驚くべき速さではないものの、注目すべきはこのpingだと思う。Wi-Fiが間に噛んでいても16msが出ているってどういうことよ。

ちなみに手元のタブレットASUS ZenPad 380KL)で測ってみた結果が以下の通り。
昼3時前
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夜0時前
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ちなみに最近帯域が減らされて苦しかったWiMAXの0時半は以下の通り。
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 SoftBank Airの夜の下りが5Mbpsほどで、これはWiMAXの頃と実はあまり変わらない。とはいえpingに大きな差が出ているため体感では全く反応が違うし、同じ5Mbpsでも最近のWiMAXは「どう考えても5Mbpsも出てないだろ」と文句を言いたくなる遅さだったので、それが劇的に改善されたのはかなり良い。
 最大13.3Mbpsに制限されてしまった最近の無印WiMAXにおいて、ネットを見る限りだと5Mbpsというのは割と出ている方ではあるらしいんだけど、そうは言っても実際のダウンロード速度からはそんな風には思えないし、ものによっては全然落ちてこないことも多い。そこが解消できれば後はなんだっていいのだ。

SoftBank AirでSplatoon

 脱WiMAXの理由になったのはなんと言ってもこれ。
 WiMAXの帯域が絞られて以降夜もすっかり遊べなくなり、ガチマッチなんてもってのほかとなってしまったスプラトゥーン。今回は丁度フェスのタイミングだったので「えいえんの山の幸ガール」になるまでひたすら遊んでいたんだけど、「あるとき」を除いて快適に遊べた。

 SoftBank AirからWii Uまでの間は有線で繋がっているので応答の良さはMacや他のデバイス以上のはず。実際体感としては「やられにくくなった」し、相手の動きに対応するのがほんのちょっとだけ早くなったように思う。ずっと「塗るのには優秀だが撃ち合いになるとほぼ必ず負ける」と信じていたシャープマーカーでも真正面の撃ち合いで勝てたので、これは当面戦えるかも知れない。良かった。

あるときの謎の停止

 スプラトゥーンを始めて4試合目だったか、試合開始と同時に「通信状況が不安定になっています」が出たと思ったらそのまま切れてしまった。すぐにSoftBank Airのランプを確認すると「status」ランプが点滅していて、そのあと「Power」が赤点灯し他が全て消灯した状態、つまり再起動に入ってしまった。

 「Status」だけが点滅しているという状態はセットアップガイドを参照しても載っていないし、ネット上の公式のQ&Aにもない。説明書は最初から存在しないしネット上を検索しても同じ症例がなく、正直気持ち悪い。そこから警戒しながらスプラトゥーンに戻ったものの、以降は同じような問題は発生しなかった。どちらかというとハードウェア的なやられ方だとは思うものの、不安が残るのは確か。

 トラブルが起きるのはある程度仕方ないにしても、そのステータスランプが何を意味するのか分からないのは正直いただけない。WiMAXとかこの手の製品は変なトラブルを抱えた機種が多いだけに、もうちょっとちゃんとして欲しいところだね。

使ってみての感想

 今までのWiMAXと比べると、速度はそれほど変わっていないというか帯域が減る前の時代に戻っただけのようにも感じるので、そんなスグレモノではないようには思う。とはいえ応答の良さが今までとは段違いなので体感速度が全然違うし、「えっもうページ表示されたの?」みたいな驚きがある。

 今のところは大きなものをダウンロードしてはいないし、たった1日しか使っていないし、このSoftBank Airの真価をまだ見てはいない。それでも日常使用については今のところとくに支障は出ていないのでぼちぼち使っていきますわ。

とはいえ

 とはいえ相手はSoftBank。一応使用量に応じた速度制限等はないということにはなっているものの、規約にこっそり「通信状況に応じて制限をかける場合があります」とか増やしたようだし、一時は夜にかなり厳しい速度制限をかけたという話も聞いている。最近は携帯キャリアの方で画像を勝手に圧縮したとして揉めていたし(今もやっている模様)、正直かなり怪しいとは思っている。

 今が安泰でもいつどうなるか分からないのが大変不安なところで、それはWiMAX2+もおなじことではあるんだけれども、こちらは予告無しでやりかねないし非常に厳しい状況におかれる可能性も十分あり得る。さすがに家庭内用のサービスなので電波の許す限りは使わせて欲しいんだけど、どうなることかね。

 そんな感じでビビリながらしばらくは使いたい。この調子が当面続くようならWiMAXも解約できるかな。

本筋としては以上、以下は蛇足。

SoftBank Airのメーカー

 そういえば、SoftBank Airのメーカーってどこなんだろう。ほとんどソフトバンク名義しか見かけないし、と思いながら本体の裏のシールを見てみた。
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ん?
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えっ Foxconn???

ウィルコム好きから見たSoftBank Air

 ここまで全く書いてこなかったけど、SoftBank Airが使用している電波は携帯で言うところのいわゆる「SoftBank 4G」、通信方式で言うと「AXGP」だ。

 ざっくり言うとLTEのちょっとだけ方式が違うバージョン(TD-LTE)に申し訳程度の細工を施したもので、実質的にはTD-LTEと同じものと見て良い。このあたりはWiMAX2+も似たような状態と言える。

 さてこのAXGPが使用している2.5GHzという周波数帯、そしてAXGPという規格そのものは今やワイモバイルとなってしまったウィルコムとは縁が深い。

 PHSを展開していたウィルコムは、携帯各社がどんどんと通信速度を上げていく中で生き残りをかけて新たな通信方式を開発していた。

 それが「eXtended Global Platform」、略して「XGP」。XGPPHSとは互換性もなく音声通話もなかったものの、基地局を短い間隔で沢山置くマイクロセルや近くの基地局同士で負荷を自律分散するなどPHSの仕組みを発展させた仕組みを持っていた。2007年には免許を取得、商用サービス開始に向けて動き出した。ウィルコムにとっては最後の希望のようなものだった。

 しかしその後ウィルコムの経営はみるみる悪化していき、未来を託したXGPは東京都内で半分実験を続けているかのような限定サービスのまま終了してしまう。ウィルコムソフトバンクの傘下になってからはPHS基地局に関する権利とXGP周りのあれこれを奪われ、新会社「WirelessCityPlanning(WCP)」のものとなった。そしてXGPは終了し、TD-LTEにちょっとだけ手を加えたものに「AXGP」というXGPっぽい名前を付けて今に至るというわけ。

 そんなわけで、今SoftBank Airが使っているAXGPと2.5GHzの周波数は、ウィルコムが今も無事ならXGPとして使われていたはずの「因縁の周波数」といったところか。XGPAXGPは似て非なるものではあるけど、AXGPの面倒を見ている人たちは元ウィルコムの人たちで構成されているようだし、WCP公式サイトの説明中の基地局の設置場所を赤くプロットした図なんてのは非常に懐かしい見た目をしている。

 上のリンク先を読むと、今でも一応マイクロセル・自律分散で動いていて、さらにはお馴染み八本槍アンテナから電波が出ているという状況らしい。八本槍アンテナなんて昔は当時の社長の名前から「八剱アンテナ」とか呼んでたなあ。懐かしい。

 そう考えると、戻るべきところに戻ってきたというか、なんだか感慨深いような、でもちょっと嫌な感じというか。「アイドルマスターSP」で961プロに移った星井美希を泣く泣く応援するような、そんな感じがする(誰が分かるんだこの例え)。

 幸い、と言って良いのか分からんけど、SoftBank 4G(AXGP)の電波はソフトバンクの普通のLTEと切り替えるときに特にiPhoneで不都合があるらしく、あまり掴まない仕様になっているらしい。そんな事情もありAXGPの電波自体は空いているものと思われるし、マイクロセル(のはず)で一極集中も起きにくい。WiMAX2+よりは余裕のある状況だろうし今後もその状態は続くと思われるので、今後も規制無くサービスが続いていくことを願いたい。

頼みますよ、ほんとに。