あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今回はなんとこのブログでは珍しい3回連続となる映画関係のエントリです。急にどうしちゃったのか。
Twitterでフォローしてる人にはバレバレだろうけど、昨日「あるアニメ映画」を見てきた。
このエントリのタイトル自体が壮大なネタバレになっているので、近々何らかのアニメ映画を見るつもりの人は覚悟しておいてもらいたい。あるいは、観てからにして欲しい。
じゃあ、いくよ。
と、いうわけで
と、いうわけで。
昨日レイトショーで見たんですよ。
「ポッピンQ」を。
クリスマス直前の公開だったのでポッピンQの感想を書いたブログは色々出ていたようだけど、敢えて読まないようにしていたし、観た後の今も読んでいない。が、はてなブックマークで見かけるタイトルからはあまり良い印象を持っていない人が多かったというのはなんとなく伝わっていた。更にプロモーション用の30分番組を観ても不穏な雰囲気がなんとなく伝わっていたし、どうなんだろうなぁという気はしていた。
そして昨日観たあと一発目のツイートがこちら。
ポッピンQ見終わった。東映どうした!どないしたんや!
— つくいす 大怪獣空中決戦 (@tsukuisu) 2017年1月7日
やはりというか、そんな感じの作品でした。
あるブログが感想エントリ(読んでない)のタイトルに「神作画のクソアニメ」と付けていて、これはもうこれ以上ないくらいの絶妙な評価だと思う。
内容については色々突っ込みたいけど、一言で言えば「尺が足りない」。加えて言うと、劇場オリジナル作品の経験が浅いからなのか、扱いきれないくらいの設定と話を用意したのではないかという風に見えた。1クールくらいは欲しかったかな。
その影響か内容が端折りすぎの傾向に陥り、物語の説得力がどんどん無くなる。あれだけ説得力のないストーリーが展開されると観客も結構辛い。石塚運昇演じる長老から続々飛び出す説明セリフ、ダンスで世界が救われるという意味不明な設定、100歩譲ってそれが理解できてもじゃあ何故それを原住民じゃなくて異世界から来た女の子がやらなきゃならないのかという疑問。
べつにクソアニメだとか駄作だとまでは思わないけど、スクリーンの中で展開される物語や登場人物と、我々観客の温度差がかなり激しい。温度差が激しすぎて台風が発生しそう*1だし、温度差だけならあの伝説の「デビルマン」にも対抗出来るんじゃないかとまで思った。
でも、でもね、終盤は良かったんだよ。観客との激しい温度差の割にはちゃんと締めようとしていたし、異世界から戻ってきてからの卒業式前後のシーンはそれなりに良かったと思う。終わりよければすべてよしと言うし、やはり観客と温度差のあるエンディングの映像も含めて、まあいいか、と思い始めていた。
そう、スタッフロールが終わるまでは。
次回予告という地獄
スタッフロールの後にはまだエピローグが待っていた。
これがただのエピローグならどれだけ良かったことか。困ったことに「新章が始まる」ことを大々的にアピールするような内容になっていた。明示はされていないけど事実上の次回予告だ。
これまで1時間半かけて台風が起きそうなほどの温度差を巻き起こしておきながら、「面白かったでしょ?もっと観たいでしょ?」と言わんばかりに事実上の次回予告を数分かけて流してきたのがトドメの一撃で、我々観客はもはやドッチラケの状態で映画館を後にするしかない。ポッピンQと我々の間には分厚い壁があったのだ。
そう考えると、次回予告って怖いよね
で、思ったんだけど、ヒットするか分からない映画の最後に次回予告を持ってくるのって勇気が要るよね。
予告で終わらせた映画でパッと思いつくのは「バックトゥーザフューチャー2」の次回は西部劇ですよってのと、エヴァ新劇場版の恒例の次回予告くらいかな。前者はそもそも第一作がヒットした後の2作目で、しかも続編の撮影に入っている。後者は人気アニメ作品のリメイク(だったんだよなぁ最初は)で、内容は口から出まかせ。
でも、このどちらも「既にヒットしている」というベースがあるので、それなりにやっていけるという計算の上で次回予告を入れたんだと思う。特にバックトゥーザフューチャーなんてすごいよね、「約30年前にタイムスリップする」の次作で30年後に向かっていて、更にその次回予告で「次は西部劇です」ってこんな豪快なことがよくできたよね。企画自体がしっかりしているというか、既にヒットもしていて自信があったんだろうね。
その点でポッピンQは辛い。次も映画なのかそれともTVシリーズなのかは分からないけど、過去の実績もなく、さらにはヒットの芽が出ずに終わってしまいそうな本編を見せられた直後に、ああいう勢いと熱量のある(ただし観客との温度差が激しい)映像を見せられると観客のダメージがものすごくでかい。「ほんとに次回作あるのかなw」と半笑いで見るしか無い。
マトリックスや世の中に星の数ほどある映画みたいに「続きそうな余地を残しつつ終わらせてしまう」エンドに何故しなかったのか。5人が同じ学校に集まりつつお互い気づいてないみたいな映像を出して、そのまま終わらせられればどれだけ良かったことか。スターウォーズの1作目だって表彰式みたいなシーンで終わりだし、様子見代わりに終わらせてしまって良かったんじゃ無いかな。
いやあ、次回予告って怖いなあ。うっかりやると大変な目に遭うんだなあ。
ちなみに
入口でポッピンQのカレンダーとポストカードを1枚ずつもらったんだけど、カレンダーが入場者プレゼント第1弾で、ポストカードが第2弾だったらしい。1つめが無くならないうちに2つめに突入するの辛いなあ。
www.popin-q.com
というか、年末公開の映画なのに4月始まりのカレンダーを付けるのってどうなのよ。いや意図は分かるんだけどさ。
最後にフォローというか、これだけは加えておきたい。
あ、ダンスの映像は史上最高でした
— つくいす 大怪獣空中決戦 (@tsukuisu) 2017年1月7日
ダンスのCGは長年プリキュアをやって来ただけあって(あとサンライズからラブライブの一部楽曲のCGも下請けするくらいだし)これ以上無いくらい素晴らしかった。CGに限らず作画も最高で、ところどころプリキュアっぽい構図や動きはあったけど、それも含めて現在の東映アニメーションの技術や見せ方が凝縮されている、60周年にふさわしい集大成といえる映像だったと思う。
それだけに、ストーリーがなぁ。
そんな今年最初のエントリでした。今年もよろしくお願いします。みんなも観ようポッピンQ。