空降るでいず

じゆうな いろで えがいて みよう

Surface RTを買いました

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 Microsoftが作ったある意味話題のタブレット、Surface RTを買った。なかなか楽しい不思議端末ですわ。
 買ったのはSurface RT 32GB タッチカバーなしなので、よくあるタブレットの姿をしている。広告とかで見かけるキーボード付きのスタイルではないこともあってWindowsのマークがついた黒い板、という感じ。

そもそも、何で買ったの?

 ネタ要員ですw
 もともとタブレットを買うときはWindowsにしようと思っていた。なんでかというと、単に携帯電話はAndroid、メインのコンピューターはMac、音楽プレーヤーはiOSときたので順番で言えばWindowsだろうという安易な発想からきているんだけど、そもそもこれは「タブレットなんていらねえw」という発想の元に考えていたことで、あんまり意味はない。
 さて、なんでSurfaceに手を出したかというと、「艦これ」ができるタブレットが欲しかった・・・というのもありつつ、奈良の家に帰るときにMacも持って帰るのはしんどいと思ったのがひとつ。転じて、今後外に出ている間に仕事の都合でぱっと遠隔でパソコンを操作しないといけなくなったときに使えるデバイスがないのもまずいかなと思ったというのもある。Surfaceでもその辺は一応操作できるし、ついでにOfficeがついているのもポイントがちょっとだけ高い。
 いろいろ書いたけど要はネタ要因ってことです、ええ。

どうよ?

 力を入れて作っただけあって、ハードはとても良い。

デザイン

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 見てくださいよこのデザイン。クールでしょう?自前でスタンドが装備されているだけあって、自立するこのスタイルは実にかっこいい。まるでデジタルフォトフレームみたい、というかデジタルフォトフレームにしか見えない。究極の美しいデジタルフォトフレームが作られたら、きっとこんな姿をしているんだろう。
 iPadが作ったシンプルなデザインというのはやはりよくできていて、真っ黒で四角い板というのは非常に美しい。Surfaceの表面上のロゴやマークは、ボタンとして機能する田(Windowsのマーク)だけに抑えていて、シンプルさでは徹底しているほうだと思う。

ハード

 フォトフレームっぽさを引き立てるキックスタンド。Surfaceの特徴といえばこのスタンドで、自立してくれるのは見栄えも良いし非常にありがたい。タブレットは常に机において覗き込むか、手にとって使うかの二択だったと思うので、ノートパソコンのように画面を斜めにして配置できるようなモデルができたのはすばらしいことだと思う。
 ところがこのスタンドを立てたときの角度が急すぎる。机において操作するには立ちすぎているように思うし、Touch Cover*1をつけたとしても液晶が自分の顔のほうを向くとは思えない。もうちょっと寝るようにしてくれたら楽だと思うんだけど、なんとかなりませんかね。
 あとキックスタンドを起こそうとしたときやそれ以外に動かそうとしたときに、やたらと音量キーを触ってしまうのが難点かな。このあたりはほかのタブレットでもそうだと思うけど、ボタンの誤操作というのはできるだけ減らして欲しいもの。実はSurfaceにはミュートボタンがないので、その分押しやすくしてくれているんだろうと勝手に思うことにする(適当)。

というわけで

 細かい問題点はあるけど、「まぁ初代モデルだし大目に見ようよ」程度のものだと思う。ただ、AppleGoogleに遠く離された中投入する渾身のモデルとして見るとそういった細かい部分が大きなマイナスポイントになるだろうし、マイクロソフトはかなりしんどい戦いをやっているんだなぁと思うとちょっとかわいそうになってくる。
 そんな中でもキックスタンドであるとか、今回はないけどキーボード一体型の着脱式のカバーとかを用意してきて面白いことをしているし、今後も粘っていいものを作っていけば少しずつ街中でも見かける増えていくんじゃないかなと。可能性は大いにある製品だと思うよ。動作がときどきちょっと重いけど。

Surface RTで艦これ

 せっかくなので「艦これ」も少しだけ遊んでみた。ブラウザはストアアプリ風IE10*2
 やる前はどれだけもっさり地獄を味わうことになるのかと恐怖したものの、実際には意外と普通に遊べる。多少もっさりなだけで。もっさりさを感じるのは主に以下の二点。

  • タイトル画面からの[GAME START]がなかなか押せない
  • 戦闘画面での魚雷がゆっくり動く

 僕はいまだにレベル一桁の艦娘しか手持ちがいない素人提督なので深いところまではわからないけど、ほとんどのことでは苦にならない。だいたいタイトル画面の動きが遅いのは何で遊ぼうと遅いわけで、Surface RTに限ったことではないわけだし。魚雷は撃ってから相手に着弾するまでの所要時間が普通のPCの倍以上かかっている気がするが、2秒弱ほどと思ってもらえればいいかと。ここの動きがスローなのは人によっては気になるかもしれないけど、これはこれで味がある、という程度でしかないと僕は思う。
 結局「アニメーションはゆっくり目」「通信が絡む部分では通常より時間がかかるかも」だけなので、動作はおおむね良好。ネタで「艦これ用にSurface RT買っちゃおっかなwww」なんて考えてて、少々のレスポンスの悪さに目をつぶれるならこれは悪くないと思う。
(※8/18追記 Macで艦これやってみたあまりのサクサクさにびびりましたw というわけで、エフェクトにかかる時間が通常の倍くらいと思っておいた方が良さそうです。すみません。)
 今もノートパソコンでこのエントリを書きながら、キックスタンドを立てたSurfaceを横において「艦これ」を動かしている。さっき文句を言ったキックスタンドはこういうときに活躍するし、起きすぎの角度が気になるけどそこそこいける。こんな場面だと「写真立てのごとく立てて使えるタブレット」っていうジャンルも意外といけるんじゃないかって気がするし、艦これが適当に指で操作できるのはすばらしい。
 ただ、IEが落ちたことが一度あったので、(原因は違うのかもしれないけど)念のためメモリの空きには注意して欲しい。提督にはなるべくほかのアプリを終了*3させてから鎮守府に着任していただきたいものである。

Surface RTを使ってわかるWindows 8の課題

 いやほんと、画面をどっちかにそろえて欲しい。
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 僕はすでにWindows 8をデスクトップのパソコンで使っているんだけど、正直使いにくいと感じていた。スタート画面をはじめいちいち"モダンスタイル"(めんどくさいから以下Metro)の画面に連れて行かれるからだ。
 そして今回Surface RTを使ってみると、やはり使いにくいと感じる。設定画面とかが"Metroの画面になく、いちいち"デスクトップ"に連れて行かれるからだ。
 つまり、どちらも「別の画面に連れて行かれるから使いにくい」なのに、お互い必要とする画面と邪魔になる画面が逆転している。
 Windows8はスタート画面をはじめとするMetroと従来どおりのデスクトップを行き来することで成り立っていて、そのせいで二つの作法を覚えねばならない。今までは自由度が高いデスクトップが好かれてMetroは嫌われるのがもはや常識みたいに思っていたのに、今回Surfaceを触って「タブレット」という視点で見ると、逆にデスクトップがかなり邪魔に感じることに気がついた。特にSurface RTが載せている「Windows RT」は通常のデスクトップアプリが動かせないので、特にデスクトップそのものを必要ない存在と感じてしまう。だからデスクトップで動くIEとOfficeを「なんでこれはデスクトップで動くんだ」と奇特な目で見ざるを得ない。
 せっかく「タブレットを買ったぞー!」とウキウキだったのに、無線の設定を手動でやろうとするとデスクトップの画面上で小さなボタンを押していかないといけなくなっててゲンナリ。さらにMACアドレスを調べようとすると、コマンドプロンプトで「ipconfig /all」を一発お見舞いしないといけない。せっかくタブレットを買ったのにコマンドプロンプトの画面を見たときのがっかり感ときたら半端なものではない。iPadみたいに完成された世界は要求しないにしても、そういうところまで面倒を見られる強力な設定メニューがあっても良いんじゃないか。
 Windows8の欠点はこの辺の詰めの甘さにあると思う。「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言うけど、タブレットで使ったとき(=指で操作)とパソコンとして使ったとき(=マウスで操作)の区別が明確にできていない。どちらの操作ではじめても、どこかでもう一方の作法の世界に足を踏み入れざるを得ないから使いにくさを強く感じる。「PCとタブレットの間に境界がない」という発想は昔からこの分野に挑んで玉砕し続けたマイクロソフトらしい発想だけれども、インプットデバイスが指かマウスかで使い方がまるで違うことをいまひとつ理解し切れていないんじゃないだろうか。どっちが悪いとかじゃない、混ぜないでください。
 Windows 8.1でそのあたりが修正されているのを期待したい。少なくとも、設定はすべてMetro側で済ませられるようになっているらしいけど。

Windows RTの課題

 アプリ少なすぎ!
 こればっかりは作ってくれる人がいないとどうにもならないしそのためのSurface RTのはずだから、未だにアプリが揃わないのは不振の結果なんだろうと思う。Windows8のパソコンの場合はわざわざMetroのアプリにせずともデスクトップアプリのほうが使い勝手が良いのでアプリが作られないわけだから、そのあおりがRTユーザーにやってくるという八方塞がり感。デスクトップアプリを奪われるととたんに端末数もアプリ数もiOSAndroidに比べるのも相手に失礼なレベルになってくるし、アプリの作法も決まりきっていないから使う人も作る人も悪循環に飛び込んでいくことになってしまうからつらい。
 あとは繰り返しになるけど、デスクトップのアプリが使えないんだからデスクトップの画面はなるべく見たくない。電卓とかメモ帳とかも新調して、というかその辺もIEみたいにデスクトップ向けとMetro向けの両方を用意してうまく分けてくれるようにできんかなぁと思う。
 あ、そうだ、ソフトウェアキーボードのテンキーは何で携帯配列なんだろう。電卓配列にしてくれないとわけわからんて。こういうところにも「なんでもひとつにまとめれば済む」と思っている節があるように感じるというか、思い切りすぎだったんじゃないかなと思う。

さいごに

 発想は良いけど荒削りなハードの足をソフトがひたすら引っ張る構図になってるSurface RT。ほかの人ということがかぶるけど、とにかくMetroのアプリでないと無理って言うキラーアプリが出てこないことにはどうにもならんと思う。特に日本の場合はWindows Phoneが一機種しか出ていないので馴染みもないし、このままだとただのゲテモノで終わってしまいそう。自分のような物好きが集まってくるだけのもので終わるようじゃあもったいない。もうちょっと、なんとかならないかなあ、という丸投げでこのエントリを終わりにします。締まらないぜ!

*1:純正のキーボード一体型カバー

*2:一応デスクトップアプリのIE10もある

*3:画面上端から下へ指をスライドさせてそのまま下端付近まで振り払う