JR西日本の「サイコロきっぷ」をご存知であろうか。5,000円で往復きっぷと特急券が調達できる代わりに、どこへ往復するのか候補7箇所からランダムで決められてしまうなかなかな代物である。
www.jr-odekake.net
先日使ったJALの「どこかにマイル」や今度始まるJR東日本の「どこかにビューーン!」のようなマイルやポイント縛りではなく、登録さえすれば誰でも5,000円で挑めるのが最大の違いで、門戸が広い。ちなみに5,000円の内訳はエントリー代4,500円、乗車券+特急券500円になっているので「サイコロ振った結果が気に入らないから振り直す」を許していない。
ちなみに行き先の候補は芦原温泉、東舞鶴、餘部、白浜、倉敷、尾道、博多の7か所。サイコロなのに7か所あるのは博多が尾道の確変演出的な扱いで組み入れられているから。
気になる目的地
で、遅ればせながら9月に私も振ったわけですよ。...結果は東舞鶴!
実は舞鶴はサイコロきっぷの候補で最もお得感が低い。のは別に良いんだけれど、今年既に行ってるのよね↓
車で来てました pic.twitter.com/hji7G96k0j
— つくいす🍊⚓🌸 (@tsukuisu) 2022年3月26日
赤れんがパークは何度も行ってるよ。
と言うわけでどうしたもんか色々悩み、鉄道乗りつぶし的見地でもどうにかならないか検討した結果、一応決めて行ってきましたわよ。京都丹後鉄道に全線乗ります。以下、9月の3連休のおはなしです。
行程についてちょっと悲しい話
サイコロきっぷは大阪市内発着と決まっていること、それから東舞鶴行きサイコロきっぷの都合上特急は京都発着でないといけない都合上、奈良県民が京都に行くのに一旦大阪駅に行ってから新快速で京都に向かうというシュールな移動が生じてしまう。これは仕方ない。
また今回は出発日を直前に決めた上に3連休とぶつかったことで舞鶴までの特急を往復どちらも確保できず、特急に乗るのは京都〜綾部間の1時間少々の区間だけというなんとも悲しい感じになってしまった。
1日目
舞鶴に行くことは行くけどどちらかというと餘部コースみたいな雰囲気も...
赤れんが博物館
東舞鶴駅から歩いていつもの赤れんがパークへ。市役所の横にある赤れんが倉庫群には何度も行っているけど、そういえば奥にある赤れんが博物館には行ったことがなかったので行ってみた。
思っていたより規模が小さい博物館*1だったけど、世界中の歴史的建造物のれんがが多数展示されていて、顔ぶれの豪華さに「それはどうやって手に入れたんだ」と次々突っ込みたくなる。また博物館にはありがちな一人からの寄贈が大きかったりして何者なのか気になったり。有料とは言え400円。結構楽しめました。
謎の大幅割引
京都丹後鉄道の乗り放題きっぷを西舞鶴駅で購入。買うときにサイコロきっぷで来ているか聞かれたので答えたところ、とんでもない割引額で提供された。
サイコロきっぷ持ってたので本来3000円する京都丹後鉄道の2日間きっぷが1000円で買えたんだけど、そんなことどこかに書いてたっけ?
— つくいす🍊⚓🌸 (@tsukuisu) 2022年9月23日
今になって「1日乗車券が200円で買える」というのを見ちゃったんだけど、損した云々以前に拍子抜けしちゃった
— つくいす🍊⚓🌸 (@tsukuisu) 2022年9月23日
それで窓口のお姉さんが変な顔したんだな… そりゃそうだよな…
— つくいす🍊⚓🌸 (@tsukuisu) 2022年9月23日
ネットにはそんな割引の情報は全然なかったし、Twitterでちらっと1日割引券のえぐい割引の情報があるくらいしか見かけなかった。1日券を2日分調達すれば2日券を素直に買うより遥かに安かったようだけれど、結局この情報が本当だったのかもよく分からないし、なんだったんだろうなあ。少なくとも当初想定よりは随分安くなったけど、ちょっともやもやする。
で今見たらきっぷ自体が販売終了してた。もはや存在自体が幻。(言い過ぎ)
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丹後あおまつ号
西舞鶴からは京都丹後鉄道の丹後あおまつ号に乗車。昔ながらの北近畿タンゴの単行列車を水戸岡鋭治デザインでリニューアルしたもので、運賃だけで乗れる。*2
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外見もさることながら車内もいかにも水戸岡鋭治デザインの趣で、木を多用した座席や車掌のお姉さんが立つ販売カウンターの雰囲気、さらには天井に埋め込まれたLEDのスポット照明も近年のJR九州車両で時折見るものに近い。かといってJR九州で見る車両そのままかというとなんだか違うような気もして、ちょっと不思議な感覚。
が、しかし、この日は9月の3連休初日。単なる普通列車でしかないので車内は乗客でごった返しており、観光列車気分なんか味わえるわけがない。座席は全て埋まり、手すりにありつけない立ち客も続出し、ぎゅうぎゅうレベルでは無いもののかなり窮屈なままの数十分だった。
海の京都トレイン
さっきの丹後あおまつ号からは打って変わって車内はガラガラ。2+1配列の転換クロスシートでゆったり、綺麗だったし快適だった。北近畿タンゴ鉄道時代のこの形の車両はどれもボロボロのイメージがあったけど随分と綺麗になったね。
ちなみにこの車両、ラッピングトレインの扱いらしいので京都丹後鉄道のサイトには特に記載がないんだけど、記事によると1,800万円もかけてリニューアルしているらしい。それはもはやラッピングとは言わないのでは。乗ったのは運行開始から2週間程度経った頃だったのでめちゃめちゃ綺麗だったのも納得。
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そば
今日の夕食はそば。珍しくGoogleマップで近所の飲食店を探して、とりあえず行ってみた。
soba-daimon.com
そしたら満席だったので外で待ち、店内に通されて天ぷらそばとビールを注文。程なく来たビールを少しずつ飲みつつ待ち、席を変わって更に待ち、店に来てからおよそ1時間弱、ようやくそばがやって来た。
1時間も待ってしまったので素早く食べてしまうのもなんだか違う気がして少しずつ噛みしめるように食べた(のは多分麺類の食べ方として良くない)。明らかに店内で打ったそばを使っていますという雰囲気でおいしく、1時間待つだけのことはあったね。あと天ぷらがとにかく美味しかった。衣が素晴らしい。
食べるために1時間待つなんていう体験なかなかしないので良かった。注文してからがだいぶ長かったのでさすがにちょっとかかりすぎな気もするかなー。
2日目
サイコロきっぷが往復きっぷである以上一旦舞鶴まで戻らねばならない。
由良さん(艦これ)
豊岡駅の駅舎(小屋的なサイズ感だけど)に由良のポスター。京都丹後鉄道の各所に由良さんがいるのでちょっと嬉しくなるし、最近艦これやってなくてすまん、という気にちょっとだけなる。
サイクルトレイン
とは言っても車内には専用の仕切りがあるわけでもなく、足元に誘導用のシールを貼ってスペースの確保をしているようだった。ちなみにこれも乗った時点では運行開始から2週間程度しか経っていなかったみたいで、自転車を持ち込む人には遭遇できなかった。
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天橋立
来たことがないので多少の観光くらいさせてください。
秋月&由良&誰
天橋立の駅にも由良さんのパネルが...と思ったら秋月だった。
秋月は立ってる場所(時刻表の前!)の人通りが多いからかパネル裏側の足の部分が弱っていてちょっとよろめき気味というかもたれかかっている状態だった。大変ね。
行きはバタバタしていて気づかなかったけど、西舞鶴の駅には由良のパネルが立っていた。隣の方はどなた..?
帰り
帰りも特急はしだて、287系でしたとさ。
というわけで
サイコロきっぷで舞鶴に行きつつ実質的には京都丹後鉄道完乗の旅だった。もうちょっと滞在して観光らしいことしろよ、と皆さん思われるかもしれないけれども、行ったことのあるところだと実際にはまだまだ行っていない場所が多数あったとしてもなかなかそこまで行く気が起きないというか、行ってない場所を検討して見つけ出すのが難しくなっちゃうから結局全然違うことをしようとしてしまうんだよね。
サイコロきっぷは発売期間が終わったけど、なかなかの売れ行きだったみたいだし広島版も出たし、しばらく待っておけば色々改善した第2弾が来そうな気がする。そのときはまたやってみたい。できれば次は舞鶴以外でお願いします。