目を覚まして...
目を覚まして...たかし...
たかしじゃない!?
というわけで、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」を3日に買ってきてずっと遊んでいる。全然ゴールが見えない。
まず最初に言わせて欲しい。今回主人公の名前を変えられないのが非常に残念! これまでずっと「たかし」でやってきたのに今回はリンクでやらざるを得ない。キャラクターボイス実装の弊害だとは思うけど非常に寂しい。たかしの冒険よ永遠なれ。
しかし今回のゼルダは本当に面白い。ゲームのフィールド全体がまるでプレイしだしたら抜け出せない沼のよう。というわけで思うところをいつものようにうだうだぐだぐだだらだらと書いていくけど、息を吐くようにネタバレしている箇所がきっとあるのでこれから始めるつもりの人、遊んでいるけどまだ序盤だよっていう人は注意。
メタルギアソリッドと化したゼルダ
悲しいのは、オープンワールドに分類される海外産のゲームに全く触れたことがないので比較のしようが無く、一応オープンワールドに分類できるタイトルで触ったことがあるのはメタルギア(METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN)くらいしかないこと。しかしながら、今回のゼルダは触っているとゼルダなのにメタルギアに似ている要素が多分に含まれているんじゃないかと思える。「それメタルギアに限らず普通だよ」と言われたらそれまでだけど。
敵部隊と戦闘
例えばそこら辺の櫓。物見櫓を中心に数名が待機しており、そこに中腰でそっと近づくなんてシチュエーションや動作は今までのゼルダには存在しなかった。
上記画像の場合は魔物諸氏が鍋を囲んで宴に興じちゃってるため見張り役がいないけど、見張りがいる場合はメタルギア同様に目視で発見される恐れがある。またうっかり物音を出してしまったり姿を一瞬見せてしまった場合は敵の頭上に「?」が出るし、こちらの姿がはっきり確認された場合は敵頭上のマークが「!」になる。このあたりはメタルギアそのまんま。
見張り担当がこちらの姿を確認した場合に起こす行動も当然似通ってくる。メタルギアの場合はサイレンを鳴らし仲間に知らせるのに対して、ゼルダも角笛を吹いて近くの仲間に気づかせる。この部分での最大の違いはやはり「無線の有無」で、メタルギアの場合はサイレンに加えて無線でCPだかHQだかに応援を要請してあとから駆けつけてくるし、応援要請中に慌てて無線係を倒してもCP側が必死に無線で「応答せよ!応答せよ!」と呼びかけた後「緊急事態発生!」みたいな流れで自発的に応援を送り込んでくるから厄介。その点角笛だけで済むゼルダは優しい。
そうは言ってもド派手に戦うのが嫌なので茂みの中から弓矢でそーっと狙うとかやるんだけど
結局ド派手に敵をぶっ飛ばすわけです。
装備も武器も現地調達
「メタルギアソリッド」(1998年)のオープニングで「装備も武器も現地調達」というセリフが登場してメタルギアの基本になっているっぽいんだけど、今回のゼルダも一部装備を除いて基本現地調達となっている。
なんでこんなこと書くかというと、今作では武器が壊れるから。今までの3Dゼルダだと剣をどこかの宝箱で見つけたり誰かにもらったりしたけど、今回はそこらへんで拾うのが第一。しかもかなりのハイペースで壊れるので、敵を倒して武器を奪うか敵のアジトにおいてある武器を盗むという行為に走らざるを得ない。
この仕組みが意外と良く出来てて、強い敵だらけのところにいると手持ちの武器も自然と強くなっていくし、その状態で最初のエリアに入ってしばらく経つと武器が軒並み弱いものになっていたりする。管理が下手なだけですね。
今もとある事情で「そこそこ強い片手剣」を揃えなければと考えているところ。槍とか両手剣とか強いのは色々あるんだけど、そうなると武器を握っている間は盾を構えられなくなっちゃうからなぁ。やっぱりマスターソードが先かなぁ。←まだ取ってない
歩行戦車が出てくる
これはこじつけ。
今作では「ガーディアン」という多足戦車がフィールド(特に視界良好な開けた箇所)をうろうろしている。外見は別としてラピュタのロボを想像すると分かりやすいし設定も近い。
ガーディアンの大半は朽ちて動かなくなっているという設定のため、置物化したガーディアンもそこらじゅうにあるんだけど、それに混ざって首だけはバッチリ動くガーディアンがいるのが厄介。赤いレーザーで捕捉してビームを撃ってくる。勘弁して欲しい。
更に厄介なのが歩いているガーディアン。こちらは青い光が常時点灯しているので目視で確認できるんだけど、逆にこっちが見つかるとものすごい勢いで近づいてくる。で赤いレーザーで捕捉してビームを撃ってくる。勘弁して欲しい。
普通に歩いているのが非常に怖い。(左奥)
見つかると全身を赤くして捕捉してくる。おまけに足が速いので追いつかれそう。怖い。(緑色の円は「がんばりゲージ」)
ビームが鋭くて怖い。
一応行動範囲は決まっているらしく、ある程度逃げたら帰って行くっぽい。
こういう状況だとほぼ終了 ※このあと逃げ切りました
アイカツと化したゼルダ
今作は意外なことにアイカツ感あふれるゲームだった。
崖
ブレスオブザワイルドといえば崖!崖といえばアイカツ!つまりブレスオブザワイルドは実質アイカツ!
アイ!カツ!アイ!カツ!
今回のゼルダの魅力を「壁登り」、登攀だとするひとが多い。これは触ってみるとすぐに分かるんだけど、本当に崖でも建物の壁でもなんでも登れてしまう。そうなるとフィールド全体が行動範囲になって、どこへでもどんなルートで自由に行くことができるようになる。
これまでのゼルダだと、例えばトワイライトプリンセスのマップも結構広大ではあったんだけど、いくらマップが広くても実際に立ち入れる範囲というのは限られていて、大体は左右を崖(当然登れない)で阻まれた通路を歩くような構成になっていた。崖からは下りられるけど登るのは回り道をしないとダメ、とか。今作ではそこが大きく変えられた。
さらに実際に登ってみると、明らかに山登りを前提とした設計をしていることがよく分かる。頂上には何らかの仕掛けが存在することが多いし、遠くのオブジェクトが視界に入りやすくなっている。登る途中もそれなりに休憩できそうなポイントを用意していたり(そして休憩ポイントがあると錯覚させたり)、なかなか細かい配慮が行き届いている。
山からのこの視界の広さ。
これくらいの高さがあるといろいろと見渡せて、発見できるものも多い。今作では「パラセール」という滑空できるアイテムもあるので、登山からのパラセールでどこでも移動できる。登山が大変な分パラセールでの滑空がスムーズでとても気持ちが良い。よくできてるなぁ。
斧
アイカツといえばクリスマス回で斧を持ち出し、ツリーを伐採することで有名。
たかしリンクさんももちろんマイ斧を持参しております。撮影用にめっちゃ光るやつ。
アイ・・・
・・・カツ!
ドシャーン!
さすがにアイカツみたいに複数人数で木を引きずることはできないけど、更に切ることで薪を入手できたり、川沿いの木を切り倒すことで向こう側に歩いて渡れたりする。最近だとビタロックを使って桃白白ごっこをするのが人気らしい。
「うんうんそれもまたアイカツだね」精神
ゼルダと言えばダンジョンなどでの謎解きが魅力のひとつ。ゼルダが海外で人気なのは謎解きによるところが大きいとか何とか。
ゼルダの大抵の作品ではダンジョンがだいたい8つくらいあって、ダンジョンの途中で新アイテムが登場し、道中に新アイテムを使った仕掛けを多数配置しつつ、ボスはその新アイテムを駆使して倒すというのがしばらく通例になっていたように思う。最近のインタビュー記事を読んでいると、仕掛けの解き方はひとつにほぼ固定してあって、他の手段で突破できた場合はバグとしてあげさせるということを行っていたんだそうな。
ところが今回はそういうのは取っ払って、「プレイヤーの自由にさせりゃあいいじゃん」みたいな方針にシフトしたらしい。確かに道中の祠やそれ以外の仕掛けを見ていると、作る側としてはこうして欲しい、という意図が分かりつつも違う解き方ができるよなあ、と思う箇所は多い。
例えば通電できる配線が虫食い状態になっていて、そこに電気を通す箱を置いたら通電し最終的に電気が点灯する、みたいな仕掛けの場合、箱の代わりに鉄製の武器をその場に捨てることで通電ができるようになっていたりする。武器や防具をつなげるように大量に捨てることで本来存在しない経路を作り出し、強引に電気を点灯させて次に進めることだって可能だ。
元々「火元にたいまつを近づけて火を付けて、その火を他の場所に移す」といったアナログな事をするゲームなので、こういった強引な解法もまたアナログなやり方なのでゼルダ感があると思う。そういうやり方に対しても「うんうん、それもまたゼルダだね」と受け入れてしまえる器の大きさがこのゲームにあるんじゃないかな。
原点回帰
僕が初めて「ゼルダの伝説」に触れたのはファミコンミニ*1版「ゼルダの伝説1」(2004年発売)だった。さすがにゼルダの一作目を2004年に初めて触るのはつらく、グラフィック的にも貧相だし仕掛けをしらみつぶしに探す必要があるしで大変。結局攻略はネットの力に頼ってしまったはず。
とはいえ、広大なフィールド全てを最初から歩き回れるし(敵が強いとかそういうのは別として)、そんなマップひとつひとつに仕掛けが点在してあって細かく探し回るというのはなかなか衝撃的で、ぼんやりと「こういうゲームがあれば良いのにな」と思っていたことが遙か昔に実現されていたという驚きがあった。
その次に触ったのがWiiの「トワイライトプリンセス」(2006年発売)。めっちゃくちゃ面白かったんだけど、一作目のような「いきなり全面的に歩き回れる」を想像して触ったら全然違うもの、最近の任天堂が言うところのシーケンシャルなものになっていて、「この20年の間にこういう形に落ち着いてしまったんだなぁ」とも思ってた。
そこから更に10年、ブレスオブザワイルドが「(チュートリアルを終わらせれば)いきなり全て歩き回れる」を実現してきた。
これはゲームを始めてすぐ、Nintendo Switchのスクリーンショット機能周りのテストも兼ねて撮った一枚。山の上や崖も含めてこの画面上の全ての場所に行けるし、それ以外の場所もまだまだ存在する。別に広くなくても良いんだけど、とにかく最初から一本道ではない広いフィールドを歩き回るようなゼルダが遊びたかったし、それが「オープンワールド」「山登りもできる」という期待以上の形で出てきたのはとても嬉しい。
小言
はてブでゼルダに関する感想のブログとかを読んでいると、「ゼルダ大好きです!全作やってます!」って人ほど今作に対する印象が良くないように見える。
「今作は賛否両論ですが~」*2みたいな書き出しで始まる人もいるし、「面白いんだけどこれはゼルダじゃない」という見方が多いよう。「外伝なら納得するけど」という人もいた。制作陣の「ゼルダのアタリマエを見直す」に対して「アタリマエでも良かったのでは」という意見もあったし。
まあ確かにねえ、途中水曜どうでしょうの「絵ハガキの旅」みたいなことをやらされるんだけど(この例え通じるのか)、時間をかけてやっと終わらせたときの内容が「がんばってねリンク」(超要約)だけだったので「は?そんだけ?」と思ったのはあるんだよねえ。次の何かに繋がるのかと思ったら無いのかよと。どうしても広大な空間を自由に歩ける前提になるので、一本道の強固な物語が作れないというのはあるよね。そこは分かるよ。
でもなんだろうなあ、そういう人たちはみんな一作目に言及してないんだよね。自分が触ったゼルダはごく一部だけで例えば「神々のトライフォース」や「ムジュラの仮面」を触ったこともないんだけど、やっぱりいきなりあんなに歩き回れるのは一作目だけなのかね。見方を変えれば、初めて触れたのが一作目じゃないってことなのかなあ。だとすると「ゼルダとはこういうもの」という像(ゼルダのアタリマエ)が最初から違ったってことなのか、なんなのか。たまたま見かけた「ゼルダ久しぶりだ」という人が一作目に言及してたし、なんかよくわからん。何故一作目の存在がまったく無視されるのか。
「広すぎてストレス」という意見もよく見た。これはしゃーない。好き好き。
今回壊したアタリマエの中には「ダンジョンの存在」というゼルダの根幹を揺るがすものもある。今回ダンジョンは100以上の祠と神獣に分解されてしまった。
ただ、一作目も確かにダンジョンが8つ(だっけ?)あってこれは後の作品にも受け継がれてはいるけど、中で攻略できるかどうかは別としてけっこう出入り自由な設計だったんだよね。「いけそうなんだけどよく分からんからまた後で」みたいな選択をせざるを得なかったところ、後の作品ではそもそもそういう場所には適切なタイミングで無いと行けないようになったし、今作では逆に最初からフル装備なのでいつでも行けるようになってしまった。そこの違いなんだよねえ。
WiiU版かSwitch版か
Switch買うつもりなの?じゃあSwitch版買っとけ。本体買う気が無いならWiiU版で。
理由:
- Switch版の方が処理能力が高い。街や森でカクつきが少ない
- (WiiUディスク版と比べて)本体がやかましくない
- スクリーンショット撮影と確認が軽快に行えるので便利
- WiiU版の利点はMiiverseがあること、ゲーム開始時のスプラッシュ画面が存在することくらいかなあ
実は実家がWiiU版を買っていて、見比べることができた。全体的にSwitch版の方が滑らかだし綺麗だよ。WiiUでうっかりホームボタン押してからの復帰するまでがとにかく長いのにびっくり。Switchだと復帰が一瞬なのに。
最後に
おっといけねえ、書きすぎた。ここまで読んだあなたもえらい(いるのか?)。こんなエントリ書いてないで早くゲーム進めなきゃっていうかその前に寝なきゃ。
↑ゼルダファンに詰め寄られる図
そしてまたも放置されるメタルギアであった。
*1:ファミコンソフトをゲームボーイアドバンス用に移植するシリーズ。ずっと品薄のあれではない
*2:こういう書き方をするときは自分が「否」側のとき