空降るでいず

じゆうな いろで えがいて みよう

在庫切れと紅茶と私

f:id:tis8347:20170223213751j:plain:w420

今回は「もしかしてそれってカタログ落ち間近なんじゃないの?」という非常にどうでもいい話。こんなどうでもいい話をこんなに延々と書いてどうするの、と思いつつ...

 ちょっと用事があって飛行機で一往復してきたんですよ。

 飛行機といえば機内サービスで飲み物を配ってくれるよね。昔からJALコンソメを筆頭にどの会社に乗っても必ず温かいスープをもらうようにしている。機内で飲む温かいスープは格別で、そこらへんのスーパーで売ってる3袋入りでやたら高価なJALコンソメスープも本物には全く及ばないと痛感するくらいのおいしさ(だと思い込んでいる)。ありがたい。

紅茶の在庫があった往路

 が、しかし今回は往復ともにスカイマークスカイマークの場合は機内で飲み物を配るサービスがないのは非常に残念ではあるんだけど、その代わり安値(100円~)で飲み物などの機内販売が行われている。往路の飛行機に乗り込み、メニューを見ると一応スープもある。でも日清オニオンコンソメスープってどないやねん。

これか。

 うーん、それもちょっとなあ。しかし「機内では何かしら暖かい飲み物を飲むもんだ」という謎の刷り込みがあるので何か頼まないといけない(不要な義務感)。せっかくポケットに100円玉を忍ばせて乗ってるのに、とか訳の分からないことを考えつついろいろ悩んだあげく紅茶を頼むことにした。

 新幹線のワゴン販売のような装備で通路を歩く機内販売を捕まえる。

つくいす「すみませーん、紅茶ください。」
販売のお姉さん(ってアテンダントだけど)「今紅茶の在庫が少なくなっていて、ご用意できない可能性もあります。もし無い場合は何になさいますか?」
つ「じゃあその場合はコンソメスープで」(←結局スープにするんかい)
販「無い場合はスープですね・・・あ、紅茶残り1つだけありました。失礼いたしました。紅茶をご用意いたします」
つ「(おお・・・ラストワン賞)」

 というわけでその場でティーバッグが入ったよくあるインスタントの袋だけを渡され、追ってお湯の入ったカップやらなんやらを渡された。そして最終的に座席のテーブルの上には

  • ティーバッグの入った袋
  • 熱湯が入ったカップ
  • カップの蓋
  • 空のカップ(発生したゴミを捨てる用)
  • ネスカフェクレマトップ
  • プラスチックのマドラー

が見事並ぶこととなった。

 ティーバッグの袋を開封すると、それはもうとても良い紅茶の香りが広がり、なんだかんだでいい紅茶だと思うと同時に機内でこんな香りを広げて周りに迷惑なんじゃないかと思ってしまう。そしてカップから蓋を外し、ティーバッグをお湯に浸ける。袋の説明によると3~4分待てとの事だったので、蓋をした後におとなしく従って外でも眺める。

 窓から下を見ると町が見えるけどどこだか分からないし、スカイマークにはモニタが無いので自分がどこを飛んでいるのかもよく分からない。

 とかなんとか考えている間に時間が来たので蓋を開け、ティーバッグは空のカップに退却。クレマトップの開封時に中身をうっかり服にかけそうになりつつ紅茶に混ぜ、マドラーで混ぜ混ぜ。おいしい紅茶のできあがり。

 ありふれた作業ではあるけど、これを航空機内でやるというのはなかなかシュールだ。100円で素材を豊富に用意してやるからあとは自分でやれよというスカイマークからの強いメッセージを感じるし、別にショボくは無いのに乗客が勝手に感じるこの中途半端なショボさこそがスカイマークだとも思う。「お湯は用意するがそれ以上は行わない」というのはなかなか絶妙な線引きじゃないかな。だからこそカップスープがラインナップにあるし、以前はカップヌードル(ミニだがしかもカレー!臭い大丈夫か!)が存在していたわけだ。おつりの発生を避けるために機内販売は一貫して100円単位だし、機内サービスの省力化については本当によく練られていると思う。

 それにしても自分で作った(ってティーバッグだけど)紅茶はうまい。機内で飲む紅茶もまた格別だった。紅茶の善し悪しなんてさっぱり分からないけど、香りがとにかく良いし味も上品、のような気がする。少しずつ飲みつつ無駄に「こんな格言を知ってる?」とか言ってみたくなる。見てくれがマクドの100円コーヒー相当なので雰囲気も何も無いけど。

 というかそもそもこの紅茶、メニューに載ってる名前が「紅茶 ベノア ダージリンアールグレイ」だからね。「電車男」を読んだ人間なら知らない人はいないであろうあのベノアティーなので、ティーバッグたったひとつから発生するこの雰囲気の良さも納得である。多分これ。

 計算すると1袋あたり83.75円なので、利用する側からしたらなかなかお得感が高いんじゃないかな。おいしゅうございました。

紅茶の在庫が無かった復路

 復路もスカイマーク。機内に入ると往路に乗った飛行機とは全然雰囲気が違ったというか、見るからに「新型」の雰囲気を醸し出していた。天井がやたらおしゃれ・・!!これはネットで見たことがあるぞ。今調べてみたら「ボーイング・スカイ・インテリア」というらしい。へえ。

 照明が全てLEDでとにかく明るいし、天井中央部は穴が開いたような構造で間接照明になっている。飛行機が動き始めると照明全体が僅かに暗くなりつつ少し落ち着いた暖色系になり、さらに離陸時になると「照明が暗くなります」との機内アナウンスの後、暗くなると言うよりは照明全体がお洒落なカクテルでも出してくるお店にありそう*1な青系のぼんやりとした光にふわりと切り替わった。なにこれLED万能すぎ。

 離陸後に窓を覗いたところで夜だし外は曇っているしで窓からはまったく何も見えないし、往路と比べると格段に乗客が多いのでなんだか窮屈だ。

 そんなことを思っていると照明が暖色系に戻り、またしばらくして機内販売がやって来た。あのベノアの紅茶をもう一度。

つ「すみませーん、紅茶ください」
販「申し訳ありません、紅茶は今在庫がありません。温かいお飲み物でしたらお茶かスープがありますが」
つ「じゃあコーヒーで」(←どこから出てきた)

 残念ながら紅茶は在庫が無くなっていた。代わりに頼んだコーヒーはさすがに出来上がった状態でやってきて、すぐに飲むことができた。うん、うまい。機内で飲むコーヒー(といってもネスカフェだけど)もまた格別だった。

 しかしまあこっちの機体でも紅茶がないのか。こういうのの補充っていつやってるか知らないけど、どこか主要な空港にストックがあって補充しながら飛ぶもんじゃないのかね。そりゃあ中部空港はスカイマークからすると微妙な位置づけかもしれないけど、新千歳空港*2ならある程度置いてそうだし、そんな雑な在庫管理なのかねえ。

 期限切れカップヌードルの件もあったから「期限切らせるくらいなら在庫を切らせた方がマシ」の発想で在庫を絞っているのかというとそれも違う気もするし、腑に落ちない。

 ちょっと考えた結果、自分の中では「商品を切り替えるから補充が無い」ということにした。最近スカイマークネスレと組んでいるらしく、機内の乗客全員にオリジナル包装デザインのキットカットを配り始めるし、どうやら路線によっては(スカイマークなのに)全員にコーヒーを提供しているらしい。カップもネスカフェコラボ柄、コーヒーもネスカフェ、ミルクもクレマトップ。神戸繋がりなのか知らんけどネスカフェだらけになってしまった。その影響かもしれない。

 単に紅茶の取り扱いそのものを止めてしまうのか。一応ネスレにも紅茶はあるようなのでそちらで代替することになるのか。どちらにしても、近々無くなる予定があるのであれば「在庫僅少」みたいな表記をメニュー表につけてほしいし、やっぱり頼んだときに「在庫が切れてるんですー」と返されてしまうのは印象が良くない。仮にそうでなかったとしても新幹線の車内販売並みに種類が豊富だったりワゴン以上の在庫が持てないとかなら分かるけど、ティーバッグだからねえ、薄くてそれなりの数のストックはできそうなのに、そんなところで雑さを発揮しなくてもと思ってしまう。

 せっかくの100円で飲めるベノアティーなので利用者としては続けて欲しいけど、そもそもスカイマークの機内販売って採算度外視でやってるっぽいし、廃止なのであればこういう変更もある程度は受け入れざるを得ないのかなぁ、とは思う。

 そんな空の旅なのでした。つかれた。こんなエントリ書いてないで早く寝よう。

*1:「ありそう」であって「ある」ではない

*2:ここまで書いてなかったけど札幌に行ってました