今年も販売店が陸運局に集まる謎の祭典、「奈良モーターフェア」に行ってきた。今年も途中からあいにくの雨模様でなかなかすっきりと参加させてくれないね。コロナも一段落したのか、入口の検温や入場者管理的なものはすっかり無くなっていた。元の状態に戻ったといえるでしょう。
www.naratv.co.jp
着いた頃には初日のまだ午前だったので、レポーターの谷口吉一さんや奈良テレビのテレビクルーが販売店を回っているところにも遭遇した。とはいえカメラを回しているところは見ていないので映っていることは無さそう。...と思って録画をいまチラ見したら生放送でやったような雰囲気なので、見かけたのはきっと事前の打ち合わせだったんだろう。
今年は去年ほどご成約のアナウンスを聞いていないので、モーターフェアの商談会的側面から言うとイマイチだったのかもしれない。今回は昼前後にいたので丁度商談を進めていたような人が来なかっただけなのかな。まあ、全く聞かないよりはよっぽどいいということで。
新人訓練としての奈良モーターフェア
今年は日産のブースでオーラのドアミラー*1を眺めていたら新人さんに捕まった。コンパクトカーをご検討ですか?と聞かれたので「いやー見てるだけですー」と答えつつ、正直にルーテシアとベースが同じなのでいつも気になっていると答えたところ、一瞬困ったか「○○店に試乗車があるので良ければどうぞー」と返されて軽く返事して会話は終わり。ちょっと悪いことしちゃったかな。
車を買う予定があるんだかないんだかみたいな人達が集まってくるイベントなわけで、普段店に来る人達とは違う客層になるので良い訓練の場ではあるのよね。前も矢継ぎ早に興味はあるのか購入予定はあるのかと聞かれて名刺まで渡されたこともあるけれど、その辺の押しの強さも必要だしこいつは無理だなと切り上げる判断も必要だし、大変よね。
車メモ
「続きを読む」の次からはいつものように車ごとのメモ。最近働きづめな上に昨日も車でひたすら移動してかなりヘロヘロな中で来ているため、どれがどの車だったのか既に意識がもうろうとしているが、書ける範囲で書いておきたい。今回も回った順で。
マツダ
新型車は特にないのでマツダ3にもう一度。
マツダ3ファストバック
- 以前も乗ったけどもう一度
- 前席はクラスなりの広さであるものの、窓が小さいので駐車するときに若干顔を出しにくい(下手くそ)
- 後席はやっぱり乗り込むときに頭をぶつけてしまう。ここが難点
- 一度くらいセダンを持ってきて欲しいという気もする
三菱
デリカミニ
トヨタ
発表されたばかりのクラウンスポーツを販売店2社がそれぞれ持ってきていた。ヴェルファイア、クラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、プリウスが並ぶ光景は壮観。
クラウンスポーツ
- 本日最大の注目車。発表からたった2日で2社とも持ってきているところを見ると、販売店向けには既に準備がしっかり出来ている状態なのか
- かっこいい。流石。
- ホイールがでかい。大径ホイールは今のトレンドだけどやり過ぎないようにして欲しいところ
- 内装はほどほどに高級感と思って見ていたけれども、色々見て回った後にもう一度見ると残念に見えてしまうかなーくらいの感じ。今世代のクラウンはどうすれば良さそうに見えるかを一旦捨てているようにも思えるので、次世代に期待。とはいえ、クロスオーバーよりは調整が入っていてちょっと良く見える
- サンルーフ装備車では前席の頭上空間が致命的に狭い
- 他のお客さんが運転席に座る度にそれぞれ「狭い」「座りづらい」を連発して去って行く。みんな何かしらマイナスの感想を言って去って行くのは相当では
- サンルーフ非装備車(もう1社が持ってきていた)はそうでもないものの、確かに狭いと言えば狭いかもしれない
- 後席は頭の部分に窪みがあって高くなっているので、頭上は意外と窮屈ではない
- 後席足元はクロスオーバーに比べたら狭い。当たり前だけど昔ながらのクラウンだと思って乗る車ではない
- 以上のことからスポーツを見に来たけどクロスオーバーを選んでいくお客さんもそれなりに出そうな気がする
- テールのトヨタエンブレムは本当に小さかった。みんな言及するのも納得
クラウンクロスオーバー
- スポーツと比べると前席が不思議と広い気がする
- 後席は「気がする」不要で格段に広い。クラウンはこの方が良い
- とはいえ今回のグレードはシートが最近流行りのチラチラしたファブリックなので、もうちょっといい雰囲気のシートにできなかったものかと思う
- 去年も書いたけど、クラウンの難点は床が高い割に背が高くないことによる窮屈感だと思っていて残念に思えたものの、スポーツはさらにその傾向が強かったお陰で逆にマシに見える現象が起きている。これでいいのかねえ
ヴェルファイア
- 広い。めっちゃ広い
- 画面めっちゃ大きい
- フロントウィンドウが結構傾斜しているのでダッシュボードが猛烈に長い。フロントウィンドウ下端まで手が届きそうな気がしない
- 内装のデザインは全体的にクラウンに近いものの、どうすれば高そうに見えるかがよく分かっている仕上げで良い
- 700万円級のグレードだけに後席キャプテンシートが素晴らしい。リクライニングも前席と違ってパワーシートのUIが鉄道のプレミアム車両的で、車の作法とは方向性の違いを感じる。でも前後スライドだけは手動なのは何故
- 700万円するだけあって高いものの、足がぶつかるような低い位置に関しては敢えて質素な造りにしているように見えた。他のお客さんはそういうところを見て「700万円もするのに安っぽい」とも言うし、実際コストダウンのポイントってこういうところなんだろうけど、どこまで際限なくよく作るかの線引きは昔と今とで違うのかもしれないね
プリウス
- 外見の時点で背が低い。フロントウィンドウの角度がえぐい
- ドアを開くと人を絶望させるシートの低さ。プリウスを好むであろう高齢者層の腰と膝を折りに来ている
- 座ると意外と絶妙な着座感。窓も低いのか過去のプリウスほど視界が厳しく感じないし、座席以外も一通りきちんと低い印象
- インパネ周りはまたもクラウン的+例の液晶メーターで構成されていて、クラウンよりは綺麗にまとまっている印象
- とはいえこのメーター、ステアリング上端が視界邪魔しないかねえ。ポジション探しに苦労しそう(このあと凄い車に遭遇するけど)
- 左足の位置にちゃんとフットレストがあるだけでもポイント高い。これだけでプリウスは名誉挽回できる
- 後席はまあ...プリウスなので...
- 腰と膝を壊していいなら良い車だと思う
C+pod
- いわゆる超小型モビリティ。こういう車を持ってくる販売店に感謝
- ドアはだいぶペラい
- 座ってみると普通に車。シートは小さいかもしれないけど全然普通に車。逆に言うと、トヨタはここからこだわりを捨てないといけない的なことかもしれない
- とはいえ普段は助手席に買い物袋や仕事のカバンを置いて、たまには誰かを乗せて、くらいなら普通に助手席があっていいし、普通の車っぽいほうが無難でもある
- テールゲートも一応開くものの、充電ケーブルを置いたらもう何も置けないくらい
- 近所に買い物に行くとか、すぐ近くに仕事場があるとかなら軽自動車でもなくこういう車が一つあれば十分だよなあという印象。"郊外とはいえ街"みたいな地域のための車という感じ。日本メーカーは20年以上前からモーターショーでそういう車を出展していたけど、全然そういう時代は来ないんだよねえ
フォルクスワーゲン
今年もトヨタが持ってきたものと思われる
ID.4
- ドアハンドルが逆手で開けるやつ。最近は空気抵抗の関係か逆手で開けるドアハンドルに時代が逆行していて悲しい
- 例によってシートが硬い
- ペダルに再生ボタンとか一時停止ボタンマークが入ってて可愛い
- 直前にトヨタ車の内装ばかり見てきたせいか、ここまで簡単な手数で先進性を見せられるのかと感心するインパネ周り。嘘みたいにすっきり
レクサス
スバル
レヴォーグレイバック
クロストレック
- 運転席に座ると相変わらずの安心感
- とはいえちょっと床が高いかなあ
- 後席に乗るときに頭をぶつけたのはこの車だったかな?今回から後席ドアの後端高さがマツダ3のごとく屋根の高さから随分と下がってしまったのが残念。衝突安全の関係なんだろうけど悲しいね
スズキ
スーパーキャリィ
- 珍しく軽トラ
- ここまでのどの車とも確実に毛色が違うので楽しい
- リクライニングレバーがどこかだいぶ探した
- レバーを見つけて倒したら座席が意外とがっつり倒れる。作業の合間にちょっと休むには持って来いね
ワゴンRカスタムZ
- 直線基調のインパネにアクセントとしてゴールドともブロンズとも付かない色のパネルをところどころに取り付けてあって厳つさアップ。最低限の手数でヤンキー感を出す演出はさすがスズキ
- スーパーハイトワゴンほどではないものの必要十分な高さで扱いやすそう
- 後部座席ドアには傘立て装備。優しいね
いすゞ
いすゞがなんと新型エルフで参戦。会場の端だったこともあってか誰も近づいていなかった。可哀想に...。
エルフ
- トラックのことは分からないので外から覗くだけ
- 単体で見ると意外とコンパクトなのね
- ダッシュボード中央に不思議な出っ張りがあるので何かと思って見てみたらADAS用のステレオカメラだった。トラックだと下に付けるのか。確かにトラックの天井付近だと高すぎるかもしれない
EQS SUV
- さらっと置いてるけど超高級車よ。よく平然と持ってきた
- 海外の最新BEVにありがち、ドア埋め込みのドアハンドルに触れるとニョキッと出てくる機能を装備。ギミックですねえ
- 室内は大して広くない
- 座席はドイツ感あふれる固さ
- ポツンと置いてある状態だけで良さを理解するにはちょっと難しい車だったかなあ
EQA
- EQSに乗った後だったのでドア開けた瞬間から「これでいいっす」という感想しか出ない(これでも超高い)
- インパネ周りはAクラス世代のベンツデザインで、新しそうなデザインも定着したね
- どうしてもBEVなのでバッテリーの分床が高い
- 後席になると床の高さが更に気になって、ちょこんと座っている感が残ってしまう
BMW
2シリーズ アクティブツアラー
iX1
- 2シリーズの後だと床高いしか印象に残らない
- 後席だとその傾向は顕著。EQA程ではないけどちょっと違う気がするね
- 後席から降りたところでディーラーのお兄さんに「後席もゆったり座れて」と話しかけられ「うーん、そう、ですねえ。この車電気自動車ですよね。電池がある分床が高くなっちゃって..」と話してしまい微妙な空気に。すまん
ホンダ
ZR-V
- BEVでもないのに床が高い。まあSUVなのでこんなもんな気もするけれど
- その上で車内も高さ方向は特に広くないというクラウンクロスオーバーと同じパターン
- とはいえ「シビックの空間をリフトアップしました」的な広さでもあり、クラウンみたいな「思てたんと違う」感はあんまり無い
- フロントガラスの位置が近いのでダッシュボードが短め。体感でヴェルファイアの3分の1くらいしかないかのよう
- 前を見たときにボンネットが見えるのは良いけどがっつり見えすぎじゃないかねえ、と言う気もしつつ、今はみんなこんな感じなのかね
- インパネ周りはシビックに近い意匠で、さっきまでのドイツ高級車勢と比べるとシンプルながら決して安っぽくは見えないという良い案配でとても良い
- 後席からの眺めは良い。フロントウィンドウが近いことで逆に視界に入る室内の量(伝わるかな?)が減るので、結果的に開放感が得られている感じ
N-ONE
- 乗り込むときに運転席のカップホルダーに足をぶつけてしまった。なるほど軽で背が低くなるとこういう支障があるのか
- 乗り込むとメーター右下のフルカラー液晶がアニメーションでお出迎え。最近は全部液晶か頑なにアナログかのどちらかなので、こういうのも良いね
- ハイトワゴンと比べると背は低いものの必要十分という感じで、逆にいろんなものがコンパクトにまとまっているので動かすと扱いやすそう
N-BOX
- 木曜に発売されたばかりの新型がはやくも登場
- 広い。広い(2回いいたくなる)
- 先代と比べて収納がかなり減って集約されたそうだけど、旧型がどこまであったのかが分かっていないので違和感がない。つまり目に付く範囲に複数の収納があって普通かなという程度
- でも確かにスマホをUSBに繋いでCarPlayとかやるときはナビ横のトレイに置けば良いのか?他に選択肢は無いのか?的な悩みが出てきそうな気がする
- 内装の白いパネルは面白い素材感。みんな色々見つけてくるのが上手いね
- 後席窓にはブラインドが装備。高級車かよすげえ
- 後席グリップの位置がすごくて、なんと後席ドアよりも後ろのクオーターガラス上にあった。座席が常に後ろに下げてある前提ってことよね。軽の世界は違うなあ
ダイハツ
去年は立ち寄るのを忘れたダイハツ。すみませんでした...!
タント
- 今年座った中では最大の問題作。N-BOXに対抗してモデルチェンジしたものの売れないとは数年前に記事で読んだけど、なるほどーという気分になっている(これが理由かは分からないが)
- 運転席ドアを開けた時点で「ん?」となる違和感
- それから座っても違和感。天井が高すぎる...?
- そして着座位置が低すぎる。ちょこんと座っている感じ
- かといって座席の位置を上げていくと、今度はハンドルの位置が合わなくなってくる。車の全高に対してインパネが全体的に低い?
- 結果的にサドルの位置が妙に低い自転車に乗っているような感覚になり、妙に高い天井と併せて強烈な違和感が残る
- 背の低いお客さんが全力で位置合わせした可能性もあるだろうけど、ファンクロスと普通のタントの両方でそうだったので、もともとそういう造りの可能性がある。なんだろうなーこの違和感
ムーヴキャンバス
というわけで
今年の優勝は「2シリーズ アクティブツアラー」でした。一方的に優勝を決めるのも今回で3度目、しかも3回ともドイツ勢という結果(ポロ、ゴルフ、2シリーズ)で外車びいきの人みたいになっているけど大丈夫なんだろうか。
去年は流行りの傾向として「縫製感」を挙げたけど、今年は軽自動車を見るとお洒落なモデルでは画一的なお洒落雑貨というか、チェーン店が供給しそうなお洒落さを身に着けた車が実はちらほら存在するのかなという印象もあった。N-BOXの後席グリップがすごいところにあるのも含めて、日本車の流行の最先端は軽自動車じゃないのかなという気がしていて、グローバルモデルもモチーフにするデザインとか素材とか、あるいは空間に対する発想でも、軽自動車で採用されているものに近いところから取っていってもいいのにと思う。もちろん車格に応じた仕立ては要るけれども。特にトヨタ車の内装がごちゃごちゃしている感じがあるからね、すっきりまとめて欲しいところ。
あと自分もすっかりルーテシアに慣れてしまったからか、いよいよドイツ車の固いシートが苦しくなってきた。BMWは良かったんだけどねえ。老化なのか腰回りが実は悪いのか、こういうところで得手不得手が出てくるのって、嫌ですねえ。
今年も去年に続いてクラウンが注目車だったし発表直後に持ってきてくれたので良かった。今年も平端駅で降りて、傘を差しつつ車を回り、天極堂の葛もちサイダーを飲み、筒井駅から帰るといういつもの流れで無事回れました。毎年告知がなかなか無いのでね、来年気づけるか分かりませんがまた次回ということで。
*1:ルーテシアと同じものではないかと個人的に最近注目している