この2024年は新年早々に令和6年能登半島地震が起きて、石川県、特に能登半島があんなことになってしまって、悲しい始まりになった。能登半島は去年車で巡ったばかりだし、そのとき実は何をやっていたかというと「コロニーな生活」というゲーム内での"お土産"集めで、それっぽい観光地はいくつか近くを巡ったり、その場に行ったりしていた。それだけに、のと里山海道が寸断されたりとか、輪島が燃えたりビル倒壊したりしているのはショックだったのです。
一方で加賀地方は被害少なめだけど風評被害でお客さんが来ないという話が多くて、行ってみたい気はするけど二次避難で能登半島から避難している人もいると聞くしどんなもんだろうと躊躇していたら、いろんな施策が出てきた。今回はその中の一つとして、「北陸おでかけtabiwaパス」というスマホを使った普段から販売されているフリーきっぷが通常2,450円*1のところ、北陸新幹線開業前日まで980円という破格になってしまったので、2日分確保して行ってきた。
遠くないし全線普通列車*2で行きたかったんだけど、最近の調子や余裕時分も考慮してサンダーバードで敦賀まで乗り込み、tabiwaパスを利用開始。北陸本線敦賀〜金沢間にとって最後の週末、混む予感しかしない!!
(2024/3/9-10)
乗りつぶし
未乗路線の乗りつぶし記事は去年の東北、その前は九州と、確実に遠方を押さえつつあるものの、実はJR西日本が結構がら空き。北陸も乗っていない区間が多く、良い機会なので今回乗りに行った。
ちなみに七尾線も未乗区間だし乗れたんだろうけど、今回のところは敢えて避けている。また今度ね。
城端線
敦賀から福井、金沢と乗り換えて、降りたのが高岡駅。ここからはチューリップでお馴染みのエリアを走る城端線。
この週末は比較的寒波が来ていて、時々雪がちらつく頃だったからかは分からないけれど、山に向かって走って行くと風景が少しずつ白くなってきた。とはいえ所々というレベルで、僕らの住む地域よりはほんのちょっとだけ寒いかなという印象だった。またチューリップもまだ見頃ではないので、どこがチューリップ畑かよく分からなかった。「多分あそこかな」程度止まり。
ちなみに北陸おでかけtabiwaパスだけでなく、JR東西の北陸応援きっぷや青春18きっぷもある時期なので、乗りつぶし目的の人がそこそこ多く乗っていた。混んではいないものの地元の人が「えっ」と思うレベルのようで、ちょっと申し訳ない。まあ、翌日鉄オタ集結の一端を担ってしまうわけだけど...。
氷見線
城端線が未乗ということは、同じく高岡から出ている氷見線も乗らずにここまで来ていたので乗車。
乗っている間に雪がたくさん降ってきたので、目の前に広がるどんよりした海と相まって「これはいよいよ防寒装備不足か」と思ったけれど、氷見に着いた頃には天気はすっかり晴れていて、特に濡れたりとかはしなかった。
越美北線(九頭竜線)
翌日朝からサンダーバードで福井まで移動して、次に乗るのが越美北線、いわゆる九頭竜線。乗りつぶしの最後に取っておきたい気もあったので、自分の中で「ここで乗るかぁ〜」的な気持ちにはなっているが、乗り放題きっぷの力の前では無力である。そう、乗り放題きっぷの前では人は無力なのです...。
九頭竜線は秘境路線と言っても差し支えない路線で、終点九頭竜湖駅まで行く列車は1日4本、しかも始発が9時台ととにかく遅い。九頭竜線ホームをみた頃には後の祭り、それは既に始まっていたのです。
そう、乗り鉄大集合が既に始まっていた。九頭竜線がキハ120形なのは分かっているけれど、せめて2両で来て欲しい。単行はどう考えても厳しい。と思っていたが願い叶わず。
いやぁここからが厳しかった。私の後ろにもどんどん列が形成されていくし、後の列車から来る人もいるので車内は言うまでも無く激混み。埼京線との声も聞こえる。始発駅発車前の時点で運転士からは当列車に関しては後ろ乗り前降りを守らなくても良いという宣言も出た。キハ120は車両ドアが路線バスのような折戸なので閉じるためのセンサーが厳しく、人が多いとドアが閉められない。というわけで発車時刻になってもドアがなかなか閉まらず、駅員の応援がどんどん増え、数分かけてようやく発車した。背負うのをやめたリュックが既に重い。
次の越前花堂駅は分岐駅なので当然ここから乗ってくる人もいて、これまた発車に一苦労。リュックが重くて手が痛いが激混みの車内で荷物を床に置くのは御法度である。足元空間の確保大事!
これだけ人が多いととにかく車内が暑い。上着を脱ぐ人も出てくるし、窓もとにかく曇って外がまるで見えない。走って行くと沿線風景が段々白くなっていくように感じるものの、それ以前に窓が白いので外の風景なんて分かったもんじゃない。
パニックの練習みたいなやつ
途中の一乗谷駅はなにやら遺跡があるそうで、そこそこの人数が降りようとした。が、後部のドアが開かず車両から降りられない人が続出。ドア付近からは「ドア開きません!」という声が複数上がっており、狭い車両内を抜け前から降りようとする人も現れちょっとだけ混乱気味に。
しかしドアが開かないという声が車両前方に届いても運転士は動かなかった。何故だと思って改めて後ろを見てみると、思っていたのと反対方向の出口がちゃんと開いており、客は降りることができていた。
つまり、例えば私の位置(あるいは降りようとした人ほか)からみると、以下の情報が欠落していた。
- そもそも次の出口方向の案内がなかった
- 窓が曇っており外の情報が見えず、ホーム位置が車両に対して左右どちらか判断できなかった
- 手動のドア開閉ボタンはかなりはっきり光る仕様だが、乗客が多いため人で遮られ見えなかった
加えて、
- 直前まで進行方向右側に降車する駅が続いていたが、当駅は左側だった
上記の条件が重なって、車両中程にいた降車客のうち数名が右だと思い込み、そして右のドアを開くことができなかった。でも出口は左が正しく、難なく扉は開いた。
ここで重要なのは情報が欠落していたことに気づかなかったことで、情報が欠落しているときは既存の情報をそのまま引き継いでしまうのか、出口が右だと思い込んでいた。
起きている状況はちょっとしたパニックの入口のようなものでも、当事者にはそんなつもりはなく、おかしな状況に声を上げるしか無いのだと思う。おかしいとおもったときはおかしい点に真正面から向き合うのではなく、周辺の何が欠けているのかを探すのが先なのかもしれない。いや、できるかなあ。
ちなみに一乗谷駅でまあまあ降りたので、激混み状態からは改善した。とはいえ依然として混み具合は都会の朝ラッシュのそれか、それ以上を維持していた。運転士さんは流石と言うべきか、復路もあわせて必ず次駅の降車方向を前駅の時点で案内するようになった。
北陸本線最後の週末
1週間後の土曜日には北陸新幹線が開業し、特急街道と呼ばれた北陸本線からは特急が消え、それどころか路線が地元の第3セクターに移管されてしまう。そんな最後の週末、写真でいくつか、、、よりはたくさん紹介。
食事
1日目の夜は近江町市場でいくら丼。海沿いに行くたびにいくら丼を求めて彷徨うものの結局ありつけないことが多いので今回は良かった。
というわけで
このエントリは翌週日曜の夜に書いている。既に北陸新幹線は開業しているし、北陸本線は米原から敦賀までだし、ハピラインふくいも運行している。北陸おでかけtabiwaパスは2,900円に値上げしたらしい。
ここ数年サンダーバードに乗る度に「きっとこれが最後だ」と思っていたけれど、一部区間だけとはいえまさか最終週にも乗ることになるとは思わなかった。地震があったことでまさかこんな風に乗りに来るとは、果たして良かったのか悪かったのか、どうなんだろうね。昨日もNHKのBS103ch*3で本来北陸でしか放送されないはずの北陸新幹線の開業特番を見ていたりもして、逆に良い宣伝になってるような気もする。丁度新幹線ができたことで地元がうまく回ると良いね。
関西人からすると北陸に行くのが多少面倒になるという印象は拭えないけれど、所要時間としては短くなるし、その先の富山とか長野とかに向けての移動もしやすくなると思うので新幹線が延びる分には良いんじゃないかなと思いました。
さて、せっかく去年で新幹線全線に乗ったのにまた未乗区間ができてしまった。乗るプランを作っているうちに壮大になってしまって今収拾つかなくて頭を抱えてるんだけど(でも1泊2日で収まるレベル)、果たして実行に移す日が来るのかどうか。お楽しみに。