父がチケットを入手していたので、甲子園の巨人阪神戦を観戦しに行った。今回は「ボックス席」という言葉の響きの効果で、どんなすばらしい席なのか、あるいは名前だけで結構普通の位置にある席なのかとわくわくしていたんだけど、実際の席を見て驚いた。こりゃグラウンドが近い。予想外の絶好のポジションだ！ボックス席は伊達じゃねえ！
・・・が、しかし。試合開始が近づくにつれ、目の前の座席に客が増え始めた。するとどんどんグラウンドが見えなくなっていく。なんと甲子園の前の方の座席は傾斜が全然無いんだな。客が増えれば増えるほどグラウンドが目の前にいる客の頭で埋まっていくなんて、こんな経験今まで無かったのに。まずはバッターボックスとマウンドのちょうど中間が見えなくなり、次にキャッチャーと審判が見えなくなり、打者まで危うくなってきた。
試合が始まると、試合開始前は絶好のポジションだと思っていた座席が最悪のシートに早変わり。ゴロはほぼすべて人の頭で見えないし、フライはすべて見失う。ポール際への大きな当たりも実際には2塁打なのに「ホームランだホームランだ」とこの辺だけ最後まで騒いでたような・・・。3塁ランナーが止まっているのを見て初めて状況を考える、こんな野球はつまらない。良い当たりがあればすぐに立ち上がるっていうスタイルが大リーグや千葉マリンなどとは違う「やむを得ない事情」により存在するって事に驚いた。
更に、野球が見づらくなってくると注意は周囲の人間の方にいってしまう。まず目の前のカップル。くっつくのは構わんが元々見えない2塁方面がますます見えない。もうちょっと考えてくれ。次に左前の家族連れ。しきりに右斜め後ろの上の方を気にしていらっしゃるようですが誰かに狙われているのでしょうか？心配です。
とは言ってみたけど、こんなのはいいんだよ。普通の行動だもの。特に左前の家族連れのお父さんなんてスタンダードで良い応援してたよ。ところがだ。ここは阪神ベンチのすぐ後ろと言うこともあってヤジ飛ばすやかましいやつとか馬鹿とかが発生するわけよ。特に、いい当たりが出るたびに椅子の上に立ち上がって飛び跳ねるオッサンは何なのあれ？態度が異様にでかいし、周囲からめちゃくちゃ浮いてるぞ。横のカップルがかわいそう。
こんな感じで、今日の野球観戦は今までの中で最悪だった。野球を生で見る気が一気になくなったといっても過言ではない、っていうくらいの最悪ぶり。ヤジがこれほど腹立たしいものだとは思わなかった。多分野球に興味がない人をいきなりここに連れてきたら2度と野球はテレビも含めて見なくなると思うよ。マジでそう思う。目の前のカップルはそうなりそうな気がするよ。てなわけで、「来年の年間契約は思い切って前の方いっちゃおうかなあ」とか思っている企業の方いらっしゃいましたら今のうちに考えを改めてください。甲子園に限って言えば無理してボックス席に行かなくてもイエローシートで満足できます。
今回いたのはボックス席の中でも後ろの方なので、場所によって見え方は様々だろうけど、「この席がいい！」という指定は出来ないからね。本来ならば遠くからもらってきたチケットなので文句は言えないんだけど、ここで愚痴ってみました。ボックス席で一番賢いのはあれだ、左前に座っていたお兄さん。この人ワンセグ携帯片手に野球観戦してたよ。イヤホン付けて。これがもっとも賢明だと思うけど、こんなに前に座っているのにこうでもしないと状況が掴めないなんて悲しいなあ。
最後に球場に一言。とりあえず角度だけは付けてください。お願いします。
